2010年9月25日土曜日

第2回ワークショップ 「祭の中の結び」

代々木上原 うつわやさんで2回目のワークショップを開きました。
京都祇園祭のお話を中心に、総角結びの文香など作りました。

7月15日から17日まで、京都祇園祭を見学。
今回はたくさんの結びの写真が撮れました。

千年以上の歴史を誇る「祇園祭」 。9世紀に始まった夏祭りのさきがけで、
1か月にもわたる 神事や行事は都市特有の夏のお祭りです。

日本最大の都市であった当時の京都は、人家が密集し、上下水道の不備
からしばしば悪疫が発生していました。
この疫病をもたらす疫神を追い出すため、華麗な神座 (かみくら)を設けて
地域内をひき回し、神輿を迎える 先祓いとして町を清めます。

祇園祭では2つの行事が同時に行われています。 一つは八坂神社を中心とした神事です。


16日に撮った八坂神社の神輿。
八坂紋の結びと総角結びが美しく飾られ、
神輿自体にも八坂紋の文様が彫られています。

三基の神輿が神社正門を出発して、夜半に四条寺町の御旅所に納まります。
この祭りこそが平安時代に始まる祇園御霊会です。

そしてもう一つは町衆の経済力に支えられた、疫神を追い出すための山鉾巡行。
南北朝時代から室町時代にかけて行われた、華麗な疫神祓いの行事です。

次の日の山鉾巡行に備えて大切に保管されている結び。
結びの勉強をしていると伝えると、写真を撮ってくださいました。

17日は雨も上がり、美しく飾られました。


綾傘鉾は山鉾の古い形態を今に伝える傘鉾の一つ。


神様の使いとしての役割を持つ「生稚児」。長刀鉾稚児の最重要儀式は注連縄切りです。
神域との結界を解き、巡行を進めます。結びには様々な意味がありますが、「結界」という
とても重要な役割をもっています。

長刀鉾の生稚児
稚児舞を初めてみることができました。


京都のお祭りには、華麗で優雅で、深い意味のある多くの結びに出あえます。




見過ごしてしまいがちな結びですが、美しく結ばれた結びがゆらゆらと揺れる様子は
何とも優美で、京都の人々の繊細な技術と感性を感じさせられます。



2010年7月17日 京都祇園祭にて