心が 宿っているようでした。
働く人々は、ここで働くのが幸せだと言い、朝からお掃除、
お花 の手入れをそれは楽しそうに行います。
「門を開けま〜す」という元気な声が響き、どこかでまだ当主が
生活しているような一日の始まりです。
期間中、毎朝清々しい、幸せな気持ちで過ごしました。
ここではお茶とお菓子を頂けます。
(下関の老舗菓子店、松琴堂のお菓子雪ごろもを頂きました)
22あった部屋は現在14部屋になり、5つの床の間があります。
坂本さんの書に、さりげない野の花が飾られていきます。
山から花を持ってくるそうですが、道端で見つけたお花を
使うこともあるそうです。夜露に一晩あててから使うそうです。
そんな毛利邸の自然な花々に魅せられた人々が「今こんな花が
咲いてますよ」わざわざと知らせてくれるそうです。
「道を歩いていても、花から呼ばれるように求めていた花に
出合うんですよ、不思議なのですが」と館長さんは嬉しそうに
お話してくれました。
毛利邸の建物にはヨーロッパに留学し、建築に興味をいだいたという
当主のこだわりが随所に見られます。
天井が高く、窓ガラスはドイツから取り寄せたものだそうです。
各部屋の欄間は自然の風をやさしく通し、1日中大勢の観光客が
訪れるにも関わらず疲れないのは、この風の流れのせいかなと思いました。
毎日の建物散歩は朝の楽しみとなりました。
明治天皇ご宿泊の間
大広間は書と結びでハレの日の室礼に。
様々な結びが飾られると、花の色は
おさえられ書と結びを引き立てて
くれます。「合わないところがあったら
言ってくださいね。」
とおっしゃるのですが、
一つもありませんでした。
文字にも結びにも、太古の生活を物語る痕跡があるといわれます。
私たちは毎日のように2人でテーマについて話しました。
無縁に見える2つの世界が、重陽というお節供を通して繋がって
行く過程は とても刺激的で、楽しい時間でした。
坂本さんは実はとても古い友人なのですが、しばらくは疎遠でした。
彼女は時折「私たちは新しい友達」といいます。
お互いこの年になってわかったこと、この年まで続けてきたこと
があって、それがこのような形で発信でき、新しい友達になれた
としたら、こんなに嬉しいことはありません。
書と結びの出合いを毛利邸の建物や、そこで働く人々が温かく
迎えてくれ、少しづつ形になっていく過程はとても有意義な
時間でした。 想像以上の実りに恵まれて、2人にとって思い出
深い作品展となりました。
坂本杏苑ホームページ
毛利邸の写真など
デザイナーMさん
施設案内
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