2015年7月3日金曜日

代々木上原 「うつわや」ワークショップから思うこと

6月30日代々木上原 うつわや でワークショップを開きました。
2010年6月から始まった結びの講座は、東京で最初の試みでした。

「うつわや」今月の展示会
涼やかな器展 ガラス・白磁・染付 7月4日(土)-12日(日)  7/8(水)休
 
 

下関市の長府毛利邸「二人展」の写真をご覧になったオーナーが
ここで結びの講座をやりませんか?と声をかけてくださいました。
あれから5年。お蔭様で、多くの作家さんの素敵なうつわにも出逢いました。

今回の講座のテーマは「結びの陰陽」。
あげまき結び、叶結びの練習から七夕を前に、短冊に結びを施しました。

 
真中は叶結び。
表は「口」裏は「十」という字に見えることからこの名がついています。
 
風俗博物館の資料より 「あげまき結び」と「叶結び」
 
 
毛利邸の「七夕の室礼」では、祇園祭りの角房につけられている結びを
5色の短冊にほどこして、笹の葉にむすびました。
 

毎年祇園祭に出かけて、鉾の結び、屏風祭りの結び、そして山車の緊縛と
結びの写真をとっては結ぶということを楽しみにしていました。
疫病除けの祭りである祇園祭りの結びに願いを込めてた短冊です。

 
毛利邸裏山から切り出した「金明竹」に七夕飾り



京の七夕さん 大正時代の布で作って頂きました。
右下のガラスはうつわやさんでみつけたガラスのオフジェに
5色の糸を通した針をからめたもの
 
箪笥に入れておくと衣装が増えるとか、裁縫の上達を願って作られたといわれます。
 
 

京都祇園祭りで御稚児さんが太刀で注連縄を切って神域との結界を解き、
山車が神域へと動き出す瞬間は、ムスビに秘められた力が太古から
継承されていることを実感します。

長刀鉾による注連縄切り。ここにもあげまき結びが。



歌舞伎座の入り口にも大きなあげまき結びが下がっています。


今回のワークショップはあげまき結びがどのような場所で、
どのような使われ方をしていたかということを写真で見て頂き、
まだまだ未知なる結びの世界を、皆様とあれこれお話しました。

みなさま日本文化に日ごろから興味を持っていらっしゃるので
私の思い込みもこの場で新しい見方に出合い、結びの研究
(おおげさですが)を進めていく活力になっています。


氷川神社「ご縁市」でのワークショップ準備
 

結びのワークショップの意義ってなんなのかな、といつも自問
しながら計画を立てるのですが、まずは心地よい「場」がもてるか
ということが大きく関わってくるように思います。

個人の教室を持たない私に「場」を提供してくださった方々に感謝し
その「場」がよいきっかけとなるよう、結びを探求していきたいと
思う一日でした。